「モデルや女優は毎日水を2リットル飲んでいる」
「水をたくさん飲めば、肌が内側から潤ってツヤツヤになる」
美容雑誌やSNSで擦り切れるほど語られてきたこのセオリー。あなたも信じて、無理をしてガブガブと水を飲んでいませんか?
残念ながら、皮膚科学の視点で見ると、この説は「半分正解で、半分嘘」です。
確かに水分不足は肌に悪影響ですが、飲めば飲むほど肌が潤うという科学的根拠はありません。むしろ、体に合わない大量の水分摂取は、むくみや冷えを招き、美容にとって逆効果になることさえあります。
この記事では、飲んだ水が肌に届くまでの本当のメカニズムと、あなたの体質に合った「適正な水分量」について解説します。
【結論】肌は「ザル」と同じ。保持力がなければ水は漏れる
この記事の要点まとめ
- 飲んだ水が直接肌の水分になるわけではない。生命維持に必要な臓器が優先される。
- 肌の潤いを決めるのは「水の量」ではなく、水分を抱え込む「セラミド(貯水力)」の量。
- 必要以上の水は、単に尿として排出されるか、むくみ(水毒)となって体を冷やす。
- 多くの日本人にとって「水2リットル」は飲み過ぎの可能性がある。
理由1:飲んだ水が肌に届くのは「最後」
水を飲めば、すぐに肌がプルプルになるわけではありません。人体における水分の配分には優先順位があります。
- 血液・循環器:血液の流れを維持し、酸素を運ぶ。
- 内臓・脳:生命活動の維持。
- 皮膚:生命維持の優先度が低いため、水分が回ってくるのは最後。
つまり、極端な脱水状態でない限り、水を増やしたからといって優先的に肌へ送られるわけではないのです。
「バリア機能」がなければ蒸発するだけ
肌の表面(角層)は、わずか0.02mmの世界です。ここの潤いを保っているのは、体内から来た水分ではなく、その水分を逃さないようにキャッチしている「細胞間脂質(セラミド)」や「NMF(天然保湿因子)」です。
セラミドが不足している肌は、穴の空いたバケツのようなもの。いくら上から水(飲み水)を注いでも、右から左へと蒸発していくだけです。
セラミド配合化粧水の選び方と効果(※内部リンク例)
理由2:飲みすぎると「水毒」で老ける
東洋医学には「水毒(すいどく)」という概念があります。代謝しきれない余分な水分が体内に溜まり、悪さをする状態です。
| 飲み過ぎのリスク | 美容への悪影響 |
|---|---|
| 冷え | 水は比熱が大きく、体を冷やしやすい。血流が悪くなり、クマやくすみの原因に。 |
| むくみ | 細胞間に余分な水が漏れ出し、顔や足がパンパンになる。皮膚が引き伸ばされてたるみの原因にも。 |
| 水中毒(低ナトリウム血症) | 血液中の塩分濃度が薄まり、頭痛や吐き気、最悪の場合は意識障害を起こす。 |
特に日本人は欧米人に比べて胃腸が弱く、筋肉量も少ない傾向があるため、水を処理する能力が高くありません。海外セレブの真似をして無理に飲むのは危険です。
あなたに必要な「適正量」の計算式
では、どれくらい飲めばいいのでしょうか?
一般的な成人が1日に必要な水分量は「体重 × 35ml」程度と言われています。しかし、これには「食事から摂れる水分」も含まれます。
飲み水としての目安
通常の食事(和食など)をしていれば、食事から約1リットルの水分を摂取できています。
体内で作られる代謝水(約200ml)も合わせると、飲み水として必要なのは「1.0〜1.5リットル」程度で十分なケースがほとんどです。
- 運動をしないデスクワークの人:1.2リットル程度
- 汗をかく人:1.5〜2.0リットル
「喉が乾く前にちびちび飲む」のが鉄則であり、ノルマのためにガブ飲みするのはNGです。
本当に肌を潤す「水」の摂り方
美肌のために意識すべきは、ペットボトルの本数ではなく「中身」と「保持力」です。
1. 冷たい水より「白湯」
内臓を温めて代謝を上げ、巡りを良くすることで、肌への血流をサポートします。冷たい水は内臓機能を低下させます。
2. カフェインレスを選ぶ
コーヒーやお茶に含まれるカフェインには利尿作用があり、飲んだ以上に水分を出してしまうことがあります。麦茶やルイボスティー、水を選びましょう。
3. 外側からの「セラミド」補給
前述の通り、肌の水分量を決めるのは「貯水タンク(セラミド)」の大きさです。水を飲むのと同時に、セラミド配合のスキンケアでバリア機能を強化することが、乾燥肌脱出の最短ルートです。
肌のバリア機能については、以下の記事でも詳しく解説しています。
テカるのに乾く原因はバリア崩壊
まとめ
「水2リットル」は万人に共通する魔法の美容法ではありません。
自分の体格や活動量を無視して無理に水を飲めば、体は冷え、むくみ、逆に代謝が落ちて老け見えすることさえあります。
大切なのは「量」より「巡り」と「保持力」です。
適度な水分(1.2〜1.5リットル程度)をこまめに摂り、スキンケアで水分を逃さない肌土台を作ること。これが科学的に正しい美肌へのアプローチです。
次の一手
内側からの水分補給と同様に、外側からの保湿も「成分選び」が重要です。肌の水分保持能を改善する唯一の成分「ライスパワーNo.11」や、最強の保湿成分「ヒト型セラミド」について、その科学的根拠を確認してみましょう。
パンテノールで肌荒れは治る?「皮膚修復の科学」(※保湿・修復関連の記事へ誘導)


コメント