HTML
「セラミド配合の化粧水を買ったのに、乾燥が治らない……」
「1,000円のセラミドと1万円のセラミド、一体何が違うの?」
実は、一口に「セラミド」と言っても、その正体はピンキリです。名前は同じでも、肌の中での働きは「純正パーツ」と「代用品」ほど異なります。
この記事では、科学的な視点からセラミドの「種類による格差」を徹底解剖。無駄な出費を減らし、本当に肌を潤すための「正しい選び方」を伝授します。
【結論】本気で治すなら「ヒト型」が最強。でも「擬似」も侮れない。
結論から言います。アトピー肌や深刻な乾燥肌を改善したいなら、「ヒト型セラミド(Human-type)」を選んでください。これが科学的な「最適解」です。
しかし、毎日全身に使いたい場合など、コストパフォーマンスを重視するなら、技術力の高いメーカー(花王など)が作る「擬似セラミド」も非常に優秀な選択肢となります。
科学で選ぶ優先順位
- 🥇 ヒト型セラミド:
肌の成分と完全に同じ構造。バリア機能の修復力はNo.1。
(成分名:セラミドNP, セラミドAP, セラミドEOP など) - 🥈 擬似セラミド(合成):
化学的に似せて作った「優秀な互換品」。コスパ最強。
(成分名:ヘキサデシロキシPGヒドロキシエチルヘキサデカナミド など) - 🥉 植物性セラミド:
やさしいが、構造が違うためバリア形成力は上記に劣る。
(成分名:グルコシルセラミド、ユズ果実エキス など)
なぜ「ヒト型」が良いのか? 科学的根拠を解説
肌のバリア=「水と油のミルフィーユ」
なぜセラミドが重要なのでしょうか? それは、肌の角質層(一番上の膜)が「ラメラ構造」という特殊な防御壁を作っているからです。
- レンガ(角質細胞): 肌の細胞そのもの。
- モルタル(セラミドなど): レンガの間を埋める接着剤。
この「モルタル」の部分は、ただの脂ではなく、水と油が交互に重なり合ったミルフィーユ状(ラメラ構造)になっています。この構造があるからこそ、肌は水分を逃さず、外部の刺激をブロックできるのです。
「カギ」と「鍵穴」の関係
ヒト型セラミドは、このミルフィーユを作るための「純正パズルのピース」です。形がぴったり合うため、塗ったそばからカチッとハマり、壊れたバリアを即座に修復します。
一方、植物性などは形が少し違うため、パズルにハマりにくかったり、加工が必要だったりします。これが「効果の差」の正体です。
セラミド4種類の詳細比較
成分表示を見ただけで見分けられるよう、4つのタイプを表にまとめました。
| 種類 | 特徴 | 成分表示の例 | おすすめ度 |
|---|---|---|---|
| ヒト型 | 浸透力・バリア修復力が高い。価格も高め。 | セラミドNP, AP, EOP (旧: セラミド2, 3) |
S |
| 擬似 | 安価で大量生産可能。技術力のある製品なら効果大。 | ヘキサデシロキシPG… ラウロイルグルタミン酸ジ… |
A |
| 天然 | 動物(馬など)由来。肌馴染みが良いが非常に高価。 | セレブロシド ウマスフィンゴ脂質 |
B+ |
| 植物性 | 安価。バリア機能よりは「保湿」メイン。 | グルコシルセラミド ユズ果実エキス |
B |
「高いセラミド」と「安いセラミド」の違いは?
1. 原料そのものの価格
ヒト型セラミドは、酵母などを利用して作るため製造コストがかかります。一方、植物性は米ぬかなどから抽出できるため安価です。
2. 濃度と技術(ここが重要!)
「セラミド配合」と書いてあっても、プールに一滴垂らしたような量では意味がありません。
高い化粧品は、十分な濃度を配合しているだけでなく、「リポソーム化(カプセル化)」などの技術を使って、セラミドを肌の奥まで届ける工夫をしています。
逆に激安の化粧水(大容量500mlで500円など)に入っているセラミドは、ほとんどが微量の植物性セラミドである可能性が高いです。
失敗しない選び方:成分表示のここを見ろ!
① 「セラミド〇〇」というアルファベットを探す
成分表示を見て、「セラミドNP」「セラミドAP」のように、後ろにアルファベットがついているものがヒト型です。
特に「セラミドEOP(旧セラミド1)」はバリア機能の要となる重要な種類ですが、高価なので安物にはまず入っていません。これが入っていれば「本気」の証です。
② 複数種類入っているか?
肌のバリアは単一の成分ではありません。複数のセラミドが混ざり合うことで強固になります。
「セラミドNP」ひとつだけより、「NP, AP, NG」のように3種以上ブレンドされている製品の方が、ラメラ構造を再建する能力が高いことが分かっています。
よくある質問 (Q&A)
Q1. 混合肌でもセラミドは必要?
はい、必須です。
脂っぽいのに乾燥する「インナードライ」の原因は、セラミド不足によるバリア機能の低下です。セラミドは油分ではなく「脂質(ししつ)」なので、塗ってもニキビの原因になりにくく、水分バランスを整えてくれます。
Q2. 飲むセラミド(サプリ)は効きますか?
全身の保湿には有効ですが、顔の乾燥には「塗る」方が即効性があります。
経口摂取したセラミド(主に植物性)は、消化されてから全身に運ばれるため、顔の皮膚に届く量は限定的です。ひどい乾燥には「塗るヒト型セラミド」を優先してください。
まとめ
「セラミド」という言葉だけで選ぶのは、もう終わりにしましょう。
- 深刻な乾燥・敏感肌には → ヒト型セラミド(NP, AP, EOP)
- コスパ重視・全身ケアには → 優秀な擬似セラミド(ヘキサデシロキシ…)
- 安物は → ほとんどが植物性か微量配合
成分表示は嘘をつきません。次回の買い物では、ぜひボトルの裏側を見て、あなたの肌を守ってくれる「本物のパートナー」を見つけてください。
参考文献
- Coderch L, et al. Ceramides and Skin Function. Am J Clin Dermatol. 2003;4(2):107-129. Available online
- Imokawa G, et al. Stratum corneum lipids serve as a bound-water modulator. J Invest Dermatol. 1991;96(6):845-851.
- Mizutani Y, et al. Ceramide biosynthesis in keratinocytes and its physiological role in the epidermis. J Biochem. 2009;145(6):719-726.


コメント