「コラーゲンは毎日飲んでいるのに、なぜか肌のたるみが止まらない」「頬を押した時の跳ね返りがなくなってきた」
もしあなたがそう感じているなら、それは肌の「強度」ではなく「伸縮性」が失われているサインかもしれません。
美容業界ではコラーゲンばかりが注目されますが、実は肌の弾力(ハリ)を決定づけているのは、コラーゲンを束ねている「エラスチン」という希少なタンパク質です。
「エラスチンは一度壊れると再生しない」とも言われる物質ですが、近年の研究で、「食べることで再生スイッチを押せる」可能性が示されてきました。 この記事では、エラスチンサプリの効果に関する科学的根拠と、コラーゲンとは全く違うその重要な役割について、中学生でもわかるように解説します。
【結論】そのまま「バネ」にはならないが、「再生命令」にはなる
結論から申し上げます。エラスチンサプリを飲んでも、それがそのまま肌に移動してエラスチンになるわけではありません。
しかし、近年の研究により以下のことがわかっています。 「エラスチン由来のペプチド(分解物)を摂取すると、肌の工場(線維芽細胞)が刺激され、自力でエラスチンやヒアルロン酸を作り出す能力が高まる」
つまり、サプリは部品そのものというより、「サボっている工場長に『もっとバネを作れ!』とハッパをかける命令書」として機能するのです。
根拠となる「科学的研究」:弾力アップのデータ
「コラーゲンよりもマイナーだけど、本当に効くの?」という疑問に対し、日本の研究チームなどが発表した興味深いデータがあります。
カツオエラスチンの実験
九州工業大学などの研究により、魚由来(カツオ)のエラスチンペプチドの効果が検証されています。
- 実験内容:日本人女性にカツオエラスチン(75mg/日)を摂取してもらう。
- 結果:数週間の摂取により、肌の「弾力性」や「血流」の有意な改善が見られました。また、目元のシワの体積が減少したというデータも報告されています。
コラーゲンが「肌の水分量」に効くのに対し、エラスチンはより物理的な「跳ね返す力(弾力)」に作用するのが特徴です。
なぜ効くのか?メカニズムを「ベッド」で解説
肌の構造を高級ベッドに例えると、エラスチンの役割が明確になります。
コラーゲンは「鉄の骨組み」、エラスチンは「つなぎ目のゴム」
肌の真皮(しんぴ)という部分は、以下の3つで構成されています。
- コラーゲン(約70%):ベッドのスプリング(金属のバネ)。肌の強度を支える。
- エラスチン(約2〜4%):スプリング同士を束ねて固定するゴムバンド。しなやかさと伸縮性を生む。
- ヒアルロン酸:隙間を埋めるスポンジ(綿)。水分を保つ。
40代で「ゴム」が切れる
金属のスプリング(コラーゲン)は丈夫ですが、それを束ねるゴム(エラスチン)は非常に繊細です。 エラスチンは20代後半をピークに激減し、40代以降は体内でほとんど作られなくなると言われています。
ゴムが切れると、スプリングはバラバラになり、重力に負けてベッドが崩れます。これが「たるみ」の正体です。だからこそ、大人にはコラーゲン以上にエラスチンの補給が急務なのです。
[関連サジェストKW] エラスチンサプリの選び方
エラスチンサプリなら何でも良いわけではありません。効果がない「ニセモノ」を掴まないための基準をお伝えします。
重要指標「デスモシン・イソデスモシン」
エラスチンには、他のタンパク質にはない特有のアミノ酸が含まれています。それが「デスモシン」と「イソデスモシン」です。 これらはエラスチンの「ゴムのような架橋構造」を作る要の成分です。
- 選ぶ基準:成分表示やパッケージに、「デスモシン・イソデスモシン含有」と明記されているものを選んでください。これが入っていないものは、ただのアミノ酸の塊である可能性があります。
由来の違い:豚 vs 魚(カツオ)
- 豚由来:哺乳類なのでヒトの構造に近いと言われますが、抽出が難しく高価になりがちです。
- 魚由来(カツオ動脈球など):近年の研究で高品質なエラスチンが抽出できるようになり、吸収率の良い低分子ペプチド化された製品が多く、エビデンスも豊富です。
よくある質問 (Q&A)
Q1. 牛すじを食べればエラスチンは摂れますか?
A. 摂れますが、吸収されにくいです。 エラスチンは非常に硬いタンパク質(ゴムのように分解されにくい)です。食品のまま食べても消化吸収されにくいため、酵素分解して細かくした「サプリメント(ペプチド)」で摂るのが圧倒的に効率的です。
Q2. コラーゲンと一緒に飲んだほうがいいですか?
A. 絶対に一緒がおすすめです。 先ほどのベッドの例えの通り、鉄筋(コラーゲン)とゴム(エラスチン)はセットで初めて機能します。両方入っているサプリを選ぶか、食事でタンパク質をしっかり摂りながらエラスチンサプリを追加してください。
Q3. 胸の垂れにも効きますか?
A. 期待できる可能性があります。 バストを支えている「クーパー靭帯」の主成分はコラーゲンとエラスチンです。全身の弾力に関与するため、顔だけでなくバストケアのサプリとしても人気があります。
まとめ
エラスチンサプリの効果と科学的結論は以下の通りです。
- エラスチンはコラーゲンを束ねる「肌のゴムバンド」であり、たるみ予防の最重要カギ。
- サプリ摂取により、「線維芽細胞」を刺激して弾力を高める効果が研究で示唆されている。
- 選ぶ際は「デスモシン・イソデスモシン」が含まれているかを確認する。
【Next Action】 今お使いのコラーゲンサプリや美容ドリンクの裏面を見てみてください。もし「コラーゲン」しか入っていなければ、次は「エラスチン配合」と書かれたものにアップグレードしてみましょう。その「+α」が、5年後のフェイスラインを変えるかもしれません。
参考文献
- Shiratsuchi E, et al. Elastin peptide preparation from Bonito bulbus arteriosus improves skin conditions: a randomized, double-blind, placebo-controlled study. J Sci Food Agric. 2016.
- Proksch E, et al. Oral supplementation of specific collagen peptides has beneficial effects on human skin physiology: a double-blind, placebo-controlled study. Skin Pharmacol Physiol. 2014.


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