「シリコン入りのシャンプーを使うと、毛穴が詰まってハゲる」
「シリコンは頭皮から吸収されて、体に毒が溜まる」
一時期、「ノンシリコンシャンプー」が大ブームになった影響で、シリコン=悪者というイメージが定着してしまいました。
しかし、化学者や皮膚科医の間では、この説は「科学的根拠のない完全なデマ」として否定されています。
結論から言うと、シリコンは非常に安全性が高く、髪を摩擦ダメージから守るためには欠かせない優秀な成分です。
この記事では、なぜ「シリコンは毒」という嘘が広まったのか、その誤解を科学的に解き明かし、あなたの髪質に合った正しいシャンプー選びについて解説します。
【結論】シリコンは「通気性のあるメッシュ」であり、詰まらない
この記事の要点まとめ
- シリコンは網目状(メッシュ)の構造をしており、酸素を通すため毛穴を詰まらせることはない。
- 分子量が大きく、化学的に安定しているため、頭皮から浸透して「毒」になることはあり得ない。
- 「ノンシリコンブーム」は、新しい市場を作りたいメーカーによるマーケティング戦略の側面が強い。
- ハイダメージ毛や広がる髪には、シリコン入りシャンプーの方が圧倒的に適している。
検証:シリコンにまつわる3大都市伝説を斬る
ネット上に溢れる「シリコンの悪口」を、科学的な事実と照らし合わせてみましょう。
| 都市伝説 | 科学的事実 | 判定 |
|---|---|---|
| 毛穴に詰まって 抜け毛になる |
シリコンは網目状の分子構造で、水や空気を通します。コンクリートのように固まることはなく、洗髪で簡単に落ちます。 | × 嘘 |
| 頭皮から浸透する (経皮毒) |
シリコン(ジメチコン等)は分子量が非常に大きく、皮膚のバリアを通過できません。また、化学的に不活性で人体に反応しません。 | × 嘘 |
| パーマやカラーが かかりにくくなる |
厚くコーティングしすぎると薬剤が浸透しにくくなる可能性はゼロではありませんが、通常のシャンプーに含まれる量ではほとんど影響しません。 | △ 条件付き |
シリコンの正体:実は「医療用」にも使われる安全素材
シャンプーに使われるシリコン(主にジメチコン、シクロメチコンなど)は、ケイ素を原料とした人工の油です。
この物質の最大の特徴は、「人体に対して極めて反応しにくい(アレルギーを起こしにくい)」ことです。
その安全性の高さから、シリコンはシャンプーだけでなく、以下のような医療・食品分野でも広く使われています。
- コンタクトレンズ(酸素を通す性質があるため)
- 人工血管やカテーテル
- 食品の消泡剤(豆腐作りなど)
- 日焼け止めやファンデーション
もしシリコンが毒なら、コンタクトレンズを目に入れた瞬間に失明し、豆腐を食べたら食中毒になるはずです。シャンプーに入っているシリコンだけが危険ということはあり得ません。
同様に「経皮毒」のデマについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
「シャンプーが子宮に溜まる」は完全なデマ!科学で暴く経皮毒の嘘
「シリコン入り」vs「ノンシリコン」正しい選び方
シリコンが悪者ではないとわかったところで、どちらを選べばいいのでしょうか?
それは「髪質」と「仕上がりの好み」だけで決めてOKです。
シリコン入りがおすすめな人
- 髪のダメージ(枝毛・切れ毛)がひどい。
- 髪が太く、硬く、広がりやすい。
- ヘアアイロンやコテを毎日使う(熱から守る必要がある)。
- しっとり、ツルツルとした指通りが欲しい。
ノンシリコンがおすすめな人
- 髪が細く、猫っ毛でペタンとしやすい。
- ふんわりとしたボリュームを出したい。
- サラサラとした軽い仕上がりが好き。
- カラーやパーマの持ちを極限まで良くしたい(※トリートメントでシリコンを補う前提)。
ノンシリコンシャンプーを使う場合でも、トリートメントにはシリコンが含まれていることがほとんどです。シャンプーできしみが出やすい場合は、トリートメントでしっかりコーティングすることが美髪への近道です。
よくある質問(Q&A)
| Q. なぜノンシリコンが流行ったの? | シャンプー市場が飽和状態になった際、メーカーが「シリコン=悪」という構図を作り出し、新しい商品を売るための差別化戦略(マーケティング)として広めた側面が強いと言われています。 |
| Q. ビルドアップ(蓄積)しませんか? | 近年のシャンプーに使われるシリコンは改良されており、過剰に蓄積しにくいものが主流です。もしベタつきが気になる場合は、週に1回クレンジングシャンプーを使えば簡単にリセットできます。 |
| Q. 背中ニキビの原因になりますか? | シリコン自体が原因というより、トリートメントの油分(油性成分全般)が背中に残ることで毛穴を塞ぐ可能性はあります。シリコンに限らず、すすぎ残しには注意が必要です。 |
まとめ
シリコンは毒でも悪者でもありません。むしろ、ダメージを受けた髪のキューティクルを保護し、摩擦や熱から守ってくれる「髪のボディガード」です。
「ノンシリコンだから良い」という安易な選び方はやめて、自分の髪が「広がりを抑えたいのか(シリコン派)」、「ボリュームが欲しいのか(ノンシリコン派)」という視点で選んでみてください。それが科学的に正しいヘアケアの第一歩です。
次の一手
シリコンで表面を守るだけでなく、髪の内部補修も重要です。白髪予防やダメージ補修に効果的な成分「ヘマチン」について、その科学的効果を確認してみましょう。


コメント