「日焼け止めを塗っているのに、夏が終わると肌がくすんでいる」「飲む日焼け止めって色々あるけど、結局どの成分が効くの?」
そんな悩める美容賢者たちの間で、今、最強の選択肢として注目されているのが「アスタキサンチン」です。鮭やイクラに含まれるあの「赤い色素」です。
「ただの食品成分でしょ?」と侮ってはいけません。最新の皮膚科学において、アスタキサンチンは「自然界最強の抗酸化成分」と呼ばれ、紫外線が肌内部で引き起こす破壊活動を食い止める、驚異的なデータが報告されています。
この記事では、富士フイルムなどの研究論文に基づき、アスタキサンチンがなぜ「飲む日焼け止め」として最強クラスなのか、そのメカニズムと正しい活用法を中学生でもわかるように解説します。
【結論】「塗る」代わりにはならないが、「内部防御」としては最強である
まず、誤解がないように結論を申し上げます。
- アスタキサンチンを飲んでも、紫外線そのものは防げません。(肌が黒い盾になるわけではありません)
- しかし、紫外線が入ってきた後の「ダメージ」を劇的に無効化します。
つまり、「日焼け止めクリーム(外の盾)」の代わりにはなりませんが、クリームを突破して侵入してきた紫外線が細胞を壊そうとするのを防ぐ「内側の盾(インナーケア)」としては、現在発見されている成分の中でトップクラスの実力を持っています。
根拠となる「科学的研究」:日本人の肌でも証明済み
「本当に効くの?」という疑問に対し、日本人を対象とした信頼性の高い研究結果(RCT)をご紹介します。
どんな研究だったのか?
2018年、富士フイルムの研究チームが学術誌『Nutrients』に発表した論文です。
- 対象:健康な日本人23名。
- 方法:「アスタキサンチン(4mg/日)」を飲むグループと、「偽薬(プラセボ)」を飲むグループに分け、9週間摂取し続けました。
- 検証:背中に紫外線を照射し、その後の肌の変化(赤みや水分量)を測定しました。
驚きの検証結果と数値
9週間後、明確な差が出ました。
- 赤み(紅斑)の抑制:偽薬グループは紫外線を当てると肌が赤く炎症を起こしましたが、アスタキサンチン摂取グループは赤くなる反応が有意に抑えられました。
- 水分量の維持:紫外線を浴びると肌は乾燥しますが、摂取グループは肌の水分量が低下せず、うるおいが保たれていました。
- シワの進行抑制:肌の表面だけでなく、奥深くの弾力低下も防ぐ傾向が見られました。
つまり、アスタキサンチンを飲んでおくと、「同じ量の紫外線を浴びても、肌が炎症(火傷)を起こしにくく、老化しにくい状態」になれることが科学的に証明されたのです。
なぜ効くのか?メカニズムをわかりやすく解説
なぜこの赤い色素に、そこまでのパワーがあるのでしょうか? その秘密は「一重項酸素(いちじゅうこうさんそ)」との戦いにあります。
紫外線が肌を壊す正体=「活性酸素」
紫外線が肌に当たると、細胞の中で「一重項酸素」という非常に凶暴な活性酸素(毒素)が発生します。これがコラーゲンをズタズタに切り裂き、シミやシワを作ります。
アスタキサンチンは「超一流の火消し役」
この凶暴な「一重項酸素」を消し去る力(抗酸化力)において、アスタキサンチンは他の成分を圧倒しています。
| 成分名 | 抗酸化力の倍率(対ビタミンE) |
|---|---|
| ビタミンE | 1倍 |
| コエンザイムQ10 | 約800倍 |
| ビタミンC | (比較対象外だがアスタキサンチンは約6000倍) |
| アスタキサンチン | 約1000倍(ビタミンCの約6000倍) |
アスタキサンチンは、細胞膜を貫通するように配置され、「肌の奥で発生した火事(活性酸素)」を、ボヤのうちに瞬時に消し止めてくれるのです。だから、ダメージが残らないのです。
「ニュートロックスサン」などの他成分との違い
飲む日焼け止めには、シダ植物エキス(フェーンブロック、ニュートロックスサンなど)もあります。どう使い分ければいいでしょうか?
- シダ植物エキス系:「今すぐの日焼け」に対する短期決戦型。レジャーに行く日の朝に飲むのに適していると言われます。
- アスタキサンチン:「日常の蓄積ダメージ」を防ぐ長期継続型。毎日飲み続けることで、肌の基礎防御力を底上げし、同時にエイジングケア(シワ・たるみ予防)もしたい人に最適です。
失敗しない飲み方と注意点
アスタキサンチンの効果を無駄にしないためのルールがあります。
1. 脂と一緒に食後に飲む
アスタキサンチンは「脂溶性(油に溶ける)」です。空腹時に水で飲んでもほとんど吸収されません。必ず「食後(特に脂っこい食事の後)」に飲んでください。
2. 最低でも4週間は続ける
飲んで30分で効くタイプではありません。毎日摂取し、皮膚にアスタキサンチンが蓄積されることでバリア機能を発揮します。研究でも9週間の継続でデータが出ています。
3. トマト(リコピン)より強力?
トマトのリコピンも同じカロテノイドの仲間ですが、アスタキサンチンの方が抗酸化力は高いとされています。また、鮭やエビから毎日必要量を摂るのは大変(鮭の切り身なら毎日数切れ必要)なので、サプリメントが現実的です。
よくある質問 (Q&A)
Q1. これを飲めば日焼け止めを塗らなくていいですか?
A. 絶対に塗ってください。 アスタキサンチンは「ダメージ軽減」であって「紫外線の遮断」ではありません。塗る日焼け止め(SPF/PA)で紫外線をブロックし、すり抜けてきた分をアスタキサンチンで迎撃する。この「ダブルブロック」こそが、科学的に最強の紫外線対策です。
Q2. 副作用はありますか?
A. 基本的にはありません。 アスタキサンチンは食品由来(ヘマトコッカス藻など)の成分であり、重篤な副作用は報告されていません。ただし、甲殻類アレルギーの人は、原料が「オキアミ」由来のものではなく「ヘマトコッカス藻」由来のものを選ぶと安心です。
Q3. 1日何mg飲めばいいですか?
A. 4mg〜12mgが推奨量です。 多くの臨床試験で効果が確認されているのはこの範囲です。市販のサプリもこの範囲で作られているものがほとんどです。
まとめ
アスタキサンチンを「飲む日焼け止め」として活用する科学的結論は以下の通りです。
- 塗る日焼け止めを突破した紫外線による「炎症(赤み)」と「乾燥」を食い止める。
- その抗酸化力はビタミンCの約6000倍と言われるほど強力。
- 即効性はないため、夏本番の前から「毎日・食後」に飲み続けて肌に貯蓄しておく。
【Next Action】 今年の夏こそ絶対に焼きたくないなら、日焼け止めクリームに加え、ドラッグストアで「アスタキサンチン配合」の機能性表示食品(「紫外線刺激から肌を保護する」と書かれたもの)を一つカゴに入れてみてください。そのひと手間で、秋の肌が変わります。
参考文献
- Ito N, Seki S, Ueda F. The Protective Role of Astaxanthin for UV-Induced Skin Deterioration in Healthy People-A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Trial. Nutrients. 2018;10(7):817. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29941810/
- Davinelli S, et al. Astaxanthin in Skin Health, Repair, and Disease: A Comprehensive Review. Nutrients. 2018;10(4):522.


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