医療脱毛とサロン脱毛は「全くの別物」!科学が教える決定的な違いと、永久脱毛の嘘・ホント

医療脱毛とサロン脱毛は「全くの別物」 美容科学ラボ

「脱毛サロンに通い放題で契約したけれど、数年経ってもまだ生えてくる…」
「医療脱毛は痛そうだし高いから、まずは手軽なサロンから始めようかな」

脱毛を考えたとき、誰もが直面する「クリニック(医療)」か「サロン(エステ)」かという選択。
広告ではどちらも「ツルツル肌に!」と謳われていますが、科学的・法的な視点で見ると、この2つは似ているようで「全く別の行為」です。

厳しい言い方になりますが、サロン脱毛で「永久脱毛」を目指すのは、ゴールのないマラソンを走るようなものです。

この記事では、レーザーと光の物理的な違い、法律による決定的な壁、そして「永久脱毛」の科学的定義について、専門的な視点から徹底解説します。

【結論】医療は「破壊」、サロンは「ダメージ」

この記事の要点まとめ

  • 医療脱毛は高出力レーザーで発毛組織を「破壊」する医療行為(不可逆的)。
  • サロン脱毛は低出力の光で「ダメージ」を与え、一時的に毛を弱らせる行為(可逆的)。
  • 法律上、サロンで発毛組織を破壊することは医師法違反となるため、構造的に永久脱毛は不可能。
  • 「永久脱毛」とは「一生一本も生えない」という意味ではなく、科学的な定義(減毛率)がある。

「全く別物」である3つの科学的根拠

なぜここまで言い切れるのか。それは「使うマシンの物理的特性」と「法律の壁」が明確に異なるからです。

1. 波長とパワー(物理学)の違い

項目 医療脱毛(レーザー) サロン脱毛(光/IPL)
光の性質 単一波長
直進性が高く、エネルギーが分散せずに毛根の奥深くまで届く。
広帯域(複数の波長)
光が拡散しやすく、エネルギーが浅い層で分散してしまう。
到達温度 200℃以上
毛乳頭やバルジ領域のタンパク質を変性(破壊)させるのに十分な熱量。
60〜70℃程度
一時的なダメージを与えるが、細胞を破壊するには至らない熱量。

2. 法律の壁(医師法第17条)

日本において、「毛乳頭、皮脂腺開口部等を破壊する行為」は医療行為と定義されています。
つまり、医師や看護師がいないエステサロンで「毛根を破壊する(=永久脱毛する)」ほどのパワーで照射することは、傷害罪や医師法違反になります。

したがって、サロンの脱毛機は「毛根を破壊しない(また生えてくる)程度のパワー」に設定せざるを得ないのです。これが「サロンでは永久脱毛できない」と言われる法的な理由です。

3. 回数と期間の差

パワーの差は、完了までの回数に直結します。

  • 医療脱毛:5回〜8回程度で自己処理がほぼ不要になる。
  • サロン脱毛:12回〜18回以上通っても、通うのをやめると徐々に毛が復活することが多い(抑毛・減毛効果)。

「永久脱毛」の嘘とホント

「医療脱毛なら、一生一本も生えてこないの?」
これもよくある誤解です。科学的に定義された「永久脱毛」の意味を知っておきましょう。

永久脱毛の定義(FDA・AEA)

アメリカの電気脱毛協会(AEA)や食品医薬品局(FDA)では、永久脱毛を以下のように定義しています。

最終脱毛から1ヶ月後の毛の再生率が、20%以下である状態。

つまり、「完全に無毛になること」を保証するものではなく、「高い減毛率を長期間維持できる状態」を指します。
とはいえ、医療レーザーで破壊された毛根から毛が再生することは原則としてありません。数年後に生えてくるのは、休止期で眠っていた別の毛穴からの発毛か、ホルモンバランスの変化による産毛の硬毛化などが原因です。

どっちを選ぶべき?判断基準チャート

「じゃあサロンは無意味なの?」というと、そうではありません。痛みの少なさや美肌効果など、サロンならではのメリットもあります。

あなたはどっち派?

【医療脱毛がおすすめな人】

  • とにかく早く終わらせたい(短期間・少回数)。
  • 将来的に毛が生えてくるのを防ぎたい(永久脱毛)。
  • 万が一の肌トラブル(火傷など)の際に、その場で医師の診察を受けたい。
  • 向いている部位:ワキ、VIO、ヒゲなど太い毛。

【サロン脱毛がおすすめな人】

  • 痛みに極端に弱く、麻酔を使っても耐えられない。
  • 毛をなくすことより、美肌ケアの一環としてリラックスして通いたい。
  • 1回あたりの支払い額を安く抑えたい(総額は高くなる可能性あり)。
  • 向いている部位:背中などの産毛、子供の脱毛。

脱毛が進むと毛穴が引き締まり、肌のキメが整います。毛穴ケアとの相乗効果については、以下の記事も参考になります。
毛穴は筋肉で動かない?科学が証明した「本当に毛穴が縮む」2つの成分

よくある質問(Q&A)

Q. 白髪も脱毛できますか? レーザーも光も「黒いメラニン色素」に反応して熱を発生させるため、基本的に白髪には効果がありません。白髪を脱毛したい場合は、毛穴に直接針を刺して電気を流す「ニードル脱毛(針脱毛)」しか選択肢がありません。
Q. 家庭用脱毛器はどうですか? 仕組みはサロン脱毛(IPL光)と同じですが、安全のためにさらにパワーが抑えられています。「自宅でサロン並みの抑毛ケアができる」程度と考え、永久脱毛効果は期待しないでください。
Q. 硬毛化(こうもうか)って何? レーザーや光の刺激により、逆に毛が太く濃くなってしまう現象です。背中や二の腕などの産毛で起こりやすいです。原因は解明されていませんが、中途半端な出力で熱を与えることがトリガーになると言われています。

まとめ

医療脱毛とサロン脱毛は、名前は似ていても「破壊(医療)」「ダメージ(エステ)」かという決定的な違いがあります。

「いつか終わりが来る」のが医療脱毛、「通い続けることで維持する」のがサロン脱毛です。
時間とお金を無駄にしないためには、目先のキャンペーン価格だけでなく、「自分がどこまで毛をなくしたいのか(ツルツルか、薄くなればいいか)」というゴールを明確にしてから選ぶことが重要です。

次の一手

脱毛中は日焼けが厳禁ですが、日焼け止め選びで肌荒れしてしまう人もいます。肌に負担をかけない紫外線対策についても確認しておきましょう。

日焼け止めで肌荒れするのは「酸化亜鉛アレルギー」のせい?

参考文献

  • 厚生労働省医政局医事課長通知. 医師免許を有しない者による脱毛行為等の取扱いについて(平成13年11月8日).
  • FDA (U.S. Food and Drug Administration). Laser Facts.
  • Gan SD, et al. Laser hair removal: a review. Dermatol Surg. 2013;39(6):823-38.

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